国産開発はうまくいくか

千葉大の野波教授率いる自律制御システム研究所が楽天などから出資を受け入れて産業用ドローンの開発をしていくという。

自律制御システム研究所、UTECと楽天から合計7.2億円の出資の受け入れを発表 2016-03-29 掲載 DRONE 

国産ドローン開発ということだが、世界では桁が3つも4つも違う額が動いていることを考えると、この額でどれだけ開発が加速するのかは疑問である。開発と言ってもいろいろあるが今回のものは自作ドローンに独自の自律制御用の高度なソフトを開発するということなんだろう。楽天はネット通販の大手でドローンの流通インフラとしての側面を見越して産業応用が実用化する際にはすぐに関連サービスを立ち上げられるように青田買いしたというところか。以前に書いた千葉ドローン特区での宅配実証実験の話からもわかるように専用開発されたドローンは高額で一台数百万円はする。安く上げるには量産するか市場の低価格機にソフトを載せるほうが安くつく。

僕の考えではドローンで産業応用を進めるにはとにかく機体は安く大量に供給されなければうまくいかないということだ。一台二台作って実証実験が成功してもそのあとに機体が安く大量に供給される態勢ができていなければサービスを開始できないからだ。
ソフトなどは結局は実地で使われながら常にアップデートして安全性を高めてゆくやり方しか無いように思う。実証実験では不都合な障害は取り除いてうまくいくようにしてしまいがちだからいくらやっても完璧になることはない。

宅配に関してはゆっくり開発している間に自動車の自動運転のほうが早く実用化されてドローン宅配等は採算がいつまでも合わなくなるのじゃないか。自動運転が可能になれば車に載るのはプロドライバーではなく免許も持たない学生バイトでも良くなるからだ。最初に仕事を覚えたらあとは集荷センターに通勤する必要もない。自動運転車が家の前まで既に荷物を入れて来てくれる。面倒な再配達もドライバーがお客と電話などしなくともコールセンターで全てやればいい。また宅配の車はドライバー確保が要らなくなれば軽自動車などの小型自動運転車を大量に走らせて宅配から集荷まで効率的に自動配分するようになるだろう。場合によっては集荷した荷物を集荷センターまで持っていかずに宅配自動車同士を最適な集合場所に集めて荷物を載せ替えて効率的なルートで荷物を運ぶこともできる。

ドローンに必要なのは専用の空域と電波、目視外飛行が可能な法整備だ。完全自律飛行の前にとにかく安い機体を量産してネットワーク上で操縦士に目視外飛行をさせる事業を始めながら同時に完全自動運転を少しづつ始めていけば良い。ドローンの操縦が完全自動化されても操縦士も機体の管理や整備の仕事は残る。また人間は現場を見ながら改善提案ができる。

現状、自動車と違って雨や強風などの天候のもとではドローンは飛ばせない。宅配というインフラが雨程度の天候で仕事が出来なくなっては誰も宅配をドローンでやろうとしない。(雨や台風の日ほどピザの宅配を頼みたくなる)もっとも、日本のように宅配網が密に整備された環境では特に都市部において宅配ドローンの入り込む余地はほとんど無いように思う。やはりドローンは過疎の山間地域などの一軒家の高齢者など交通弱者が多いところで活躍するのではないか。

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